■【返信】
ホームページを見てくださってどうもありがとうございます。
この常態変換法が少しでもあなたのさらなる理想の体型への足がかりとなることを願っています。
メール拝見させていただきました。
妊娠されているとのこと、このまま無事に元気な赤ちゃんを産み、彼との関係も改善されることを切に願いたいところなのですが、(せっかくHPを見てくださったのに、初対面でこんなことを言うのはおこがましいかもしれませんが、どうしてもあなたにアドバイスせずにはいられない思いに駆られ、こうしてお返事を差し上げる次第です) このまま彼の子供を生んで、あなたは本当に幸せになれるだろうか、というのが、わたしの率直な気持ちです。
おそらく、このままではダイエットどころではないような気がします。 もともと美しい外見を身に付けるということは、愛のある人間を振り向かせるためのものであり、その愛をより一層はぐくんでいくための最良の手段です。 そして、邪悪で不純な動機を持った人間を近づけさせないための最良の武器となるものです。
したがって、愛のない人間の前では、どんなに美しい外見を身に付けようとも、しょせん猫に小判であり、けっして愛をはぐくむことにはならないのです。
わたしが興味深く思ったのは、あなたの体験されていることが、岩月教授の本に書かれてある 「家庭内ストックホルムシンドローム」 の典型だと思われたからです。
詳しくは申しませんが、「家庭内ストックホルムシンドローム」 とは一言で言うと、「嫌いな人をわざわざ好きになる」 という現象です。 そして、その原因を作るのは、あなたの父親との関係です。
愛情あふれた父親に育てられた娘は、文字通り愛情あふれた男性に魅力を感じるようになります。
しかし、そうでない父親に育てられた娘の場合、父親と同じ駄目な部分を持っている男性に惹かれてしまうのです。 外見はぜんぜん似ていなくても、自分を不快にさせるネタが父親と同じ男性に魅力を感じてしまうのです。 「こんな男いやだ!」 と心の奥底では思っていても、次の瞬間にはすぐにその本心を抑圧し、「でも好きかも」 と思ってしまうのです。 もちろん、本人はまったくの無意識です。 これが家庭内ストックホルムシンドロームの怖いところです。
わたしには、あなたが彼から愛を引き出すことにばかり目がいって、肝心のあなた自身の本当の気持ちをないがしろにしている印象があります。
恋愛や結婚生活で一番大切なのは、「相手が自分をどう思っているか」 ではなく、「自分が相手をどう思っているか」 です。 これがないと愛と信頼と美の関係は築けません。 好きという感情が不在の恋愛や結婚生活は長続きすることはありません。 相手がどんな人間であろうとも真実の愛を信じるべき、などというのは、そもそも不可能なのです。
現に、あなたはこれまでご主人に2回も裏切られています。 しかも、妊娠しているあなたを差し置いてです。 女性としては屈辱以外の何物でもありません。
そのような仕打ちを受けてもなお、「どこかで信じられない相手に対して無条件の愛を持つことは可能なのでしょうか」 という心がけを持つことは立派だと思いますが、結論から先にいいますと、こういう男性と無条件の愛をはぐくんでいくなどということは到底不可能です。
彼のような男性を一言で定義すると、「マザコン男」 ということになります。
マザコン男とは、自分を愛してくれなかった母親に対して莫大な恨みを抱えているにもかかわらず、いまだにその母親から愛されたいと思っている男性のことです。(もちろん、自分の母親に100%満足している男性など一人もいないわけですから、すべての男性は多かれ少なかれマザコンであると言えます。 実は、これこそ男性が母親以外の女性を求める最大の理由なのですが。)
しかし、そのマザコンの度合いが桁外れに大きいと、女性一般に対して恨みを抱くばかりか、女性破壊願望というものを身に付けてしまうのです。
こういう男性は、表面的にはどれだけ女性に優しく接していても、心の奥底では本人も意識することのない、母親と同じ性である女性一般に対する怒りと不信を抱えています。
ですから、マザコン男は女性を本気で愛することができません。 女性をセックスの対象とは見ても、女性を幸せにする能力はありません。 むしろ、恨みのはけ口として利用しようとします。 それが、暴力行為であったり、セクハラであったり、あるいは 「次から次へと女性に手を出しては、その心を傷つけていく」 という、あなたのご主人のような行為に表れるのです。
妻であるあなたを幸せにした上で、なおかつその若い女の子をも幸せにするというのなら話は分かります。 彼が愛情あふれた人間であることの証明だからです。
しかし、現実にはあなたが一方的に傷ついています。 つまり彼の愛は、あなたに対するものも、その若い女の子に対するものも、どちらも本物ではないということなのです。 いずれ、その若い女の子の心も傷つけることになるでしょう。 一人の女性さえも幸せにできないような男が、他の女性を幸せにすることなど不可能なのです。
しかも、彼はあなたと付き合い出してから浮気性になったのではありません。 彼はおそらく何も変わっていません。 付き合う前からそういう人間だったのです。 彼が若いからでもありません。 もともと愛のない人間だったのです。
したがって、あなたが彼に過剰な期待をしていただけなのです。 ですから 「裏切られた」 と感じるのです。 愛のない人間から愛を得ようとしても、そんな努力が実る道理はないのです。
しかも、あなたはそうした彼の欠点を見抜けなかったわけではないと思います。 むしろ、あなたは無意識のうちにその 「欠点」 に惹かれた可能性が大なのです。
あなたは 「そんなばかな!」 とお思いになるでしょう。
しかし、現実には 「クールでかっこいい人が好き」 といって結婚し、実際に冷たくされて深く傷ついている女性が巷にはたくさんいます。 こういう人たちは皆あなたと同じように相手の欠点が薄々分かっています。 でも自分を止められないのです。 まるで催眠術にかかったかのようにフラフラッと近づいていってしまうのです。 そしてほぼ例外なく、「自分の力で何とかすれば彼はわたしを愛する人間に変わってくれる」 と信じています。 傍目から見ると、どうしてそんな愛のない人間からわざわざ愛を得ようとするのだろうか、と苦言の一つも言いたくなりますが、本人たちはあくまで真剣です。
しかし、そうした努力は実ることはありません。 たいてい失敗に終わります。 なぜなら、猫に英語を教えるようなものだからです。
それでも 「わたしが努力すれば彼はきっと変わってくれる!」 とまだお考えですか?
しかし、それを可能にするためには、彼の抱えている女性に対する根源的な 「怒りと不信」 のパワーを跳ね返すだけの巨大な 「愛と信頼」 のパワーが必要となるのです。
あなたにその力があるのであれば、話は別ですが、あなたにその力がなかったからこそ、彼のような人間に魅力を感じてしまうのであり、その冷たさをも許容してしまうのです。 あなたが愛情に満ち溢れた暖かい人間であるならば、そもそも彼のような冷たい人間に最初から魅力を感じないはずなのです。 何か一つでも冷たい素振りや不誠実な面を見せた時点で一発で嫌いになります。
それを許容してしまうということは、あなた自身の男性というものに対する見方において、あなた自身さえも意識することのない何か不自然な面を抱えているということでもあるのです。
つまり、ここで問題とされなければならないのは、そんな人の心を平気で踏みにじるような冷たい人間からいまだに愛されたがっているあなたの方なのです。
彼に二度も裏切られるという屈辱を味わっているにもかかわらず、まだあなたはそんな彼にしがみつこうとしています。 しかし、これは愛でも何でもありません。 ただの執着です。
執着とは独占欲のことです。 あなたは彼を愛しているのではありません。 ただ独占して囲っていたいだけなのです。 そして、そういうあなたの愛を重苦しいと感じるからこそ、彼は他の女に走ってしまうのです。
このようなゆがんだ愛や疑念を抱えたままの状態で子供を生んでも、幸せな家庭を築くことはできません。 最悪の場合、子供からも裏切られる人生となってしまいます。 なぜなら、このままだとご主人は当然のことながら、子供を愛することができませんし、また、あなた自身も夫から愛情を受け取ることができないので、あなたも子供に愛情を注ぐことができなくなるからです。
そして、子供はそうした夫婦の愛情のやり取りを見て育つわけですから、このような愛のない環境では、子供が男の子ならマザコンに、女の子ならファザコンになってしまいます。 しかも、その度合いは両親よりもはるかに悪くなります。 こうして世代を通じて不幸が再生産されていくのです。 これがいわゆる 「不幸の連鎖」 というものなのです。
愛のない人間を愛の出せる人間に改造するというのは、実は想像以上に大変な作業なのです。 個人の力ではほぼ無理と言っていいでしょう。 したがって、ご主人を改造するのはほぼ絶望的と言っていいのです。
それが可能となるためには、彼を取り巻く環境全体が暖かい愛であふれていることが大前提となります。 そのような暖かい 「気」 が彼に覆いかぶさるようにして、長い時間をかけて徐々に彼の心に染み渡り、そして彼の心の器が暖かい愛で埋めつくされ、それが一気にあふれ出た瞬間から、彼は初めて 「人を愛する側の人間」 となることができるのです。
本来なら、こうした一連の過程は結婚する前に修了していなければなりません。 ご主人も、そしてあなた自身も、どうやらこの過程を終える前に結婚に踏み切ってしまったようですね。 今、巷ではこうした 「満たされない者同士」 のカップルであふれかえっています。 これが離婚増加の大きな要因の一つになっているのです。
もちろん 「満たされない者同士」 は結婚してもうまく行かないのか、といえば、そんなことはありません。 しかし、そのためには社会全体が暖かい愛に包まれていることが絶対条件となるのです。 これがないと、満たされない者同士はいつまでたっても満たされることはありません。 ほんの些細なきっかけですぐに別れる結果となります。
現代社会は、とても愛情であふれかえっている社会とは言えません。 したがって、このような愛のない社会の中で幸せな結婚生活を送るためには、まずは自分自身がコツコツと無償の愛を得る努力をして愛情で満たされ、そして自分と同じように満たされた異性と結ばれる必要があるのです。 逆に言えば、こうした満たされた人間同士が集まって巨大な愛と信頼の輪を作ることこそが、愛情にあふれた社会を作るための原動力となるものなのです。
ですから、まずはあなた自身が満たされる必要があるのです。 愛のない人間から愛を無理やり引き出そうとするような生活からは、いつまでたっても愛は生まれることはないのです。 「もらえるアテのない愛情に期待するような行動はもう止めよう!」 「愛の主導権はあくまで自分が持つ!」 くらいの強い気概を持って、常に前向きに生きることが必要なのです。
ぜひもう一度、ご自分の本当の気持ちを確かめられた上で、思い切った選択をした方が、後々のためにも賢明かと思います。
もちろん妊娠までされているのですから、今さら彼との関係を清算し、別の人生を歩まれることは、あなたにとって極めて困難かもしれません。 ただし、問題というのは、先送りすればするほどその傷も大きくなっていき、修正するのが難しくなります。
わたしが尊敬する岩月教授の本の中で、今のあなたに捧げるぴったりの箇所があるので、それを紹介したいと思います。
『女性の「オトコ運」は父親で決まる』(二見書房) P.121より引用。
「ですから、愛を得るには、まずは愛する能力のある人を弁別し、その人とつきあうこと、そして、その人から愛を得る努力をすることです。 つまり、愛を取り入れることにおいては、世界観を正常に戻す努力、すなわち自己分析が必要なのです。 自己分析をして、自分の不自然な行為や不自然な心の動きを是正するのです。 これなくしては、愛は誰とも語れません。」
わたしには、あなた自身に不幸になって欲しくないのはもちろんのこと、夫をも子供をも愛せないことで、不幸の連鎖の片棒を担いで欲しくないという切なる思いがあるのです。
ぜひもう一度、ご自分の両親との関係、友人関係、交友関係すべてを点検し、間違っていた部分や不自然な部分を一つ一つ修正し、場合によっては切り捨てるという不断の努力を重ねられることです。
特に、あなたに対して 「若いから仕方がない」 と言った周りの人間は要注意です。 なぜなら、あなたの不幸を喜んでいる可能性があるからです。 喜んでいるとは言わないまでも、黙認している可能性があります。 黙認しているとは、ようするに、あなたの幸せを願っていないということです。 適度に不幸な方が都合がいいと思っている人たちです。
人は人から幸福を願われないと、けっして幸福にはなれません。 だからこそ人間関係は大事なのです。
このような努力を重ねて行けば、次第に暖かい手を差し伸べてくれる人間があなたの周りに増えてきます。 そうして、たくさんの人たちから無償の愛を受け取って、あなた自身の心の愛情の器が満たされた時、そこで初めてあなたは人を愛せる側の人間になるのであり、あなたを本当に幸せにしてくれる人とも巡り会うことができるのです。
わたしはあなたにぜひ、「次につながる生き方」 を歩んでいって欲しいと思います。
追伸
多少の誤解を覚悟で、ここまで長々と私見を述べてきましたが、今回のわたしのアドバイスであなたに不快な思いをさせた点があれば、お許しください。 でも、わたしの意見が少しでもあなたの幸福の一助になって欲しいという気持ちに偽りはありません。 そのつもりであくまで参考程度にしてもらえれば幸いです。
なお、前掲の岩月教授の本はおすすめです。 今のあなたに当てはまる事例とその解決法が分かりやすく書かれてあります。 ぜひご一読ください。
それでは失礼いたします。
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